AI にコードを書かせると、動きはするが妙に「生成っぽい」UI になることがあります。余白が均一すぎる、シャドウが濃すぎる、どのカードも同じ高さ——デザインの法則は破っていないが、人間が考えたような調整が入っていない状態です。

StyleSeed はこの問題を「デザインルールを Claude に読ませる」ことで解くスキルです。

発想の転換:データではなく判断力を渡す

一般的なアプローチは、デザイントークン(色・余白・フォントサイズ)を定義して Claude に渡すことです。StyleSeed はもう一段踏み込み、「なぜその値を使うか」という判断基準を 69 のルールとして言語化しています。

Teaches Claude Code design judgment, not just design data. 69 visual rules that make AI output look designed, not generated.

たとえばこういうルールです。

  • 黒は #000 ではなく #2A2A2A を使う。純黒は印刷物のインクで使う色で、スクリーン UI には浮きすぎる
  • アクセントカラーはアプリ全体で 1 色。2 色使うと目が分散する
  • シャドウの不透明度は 4% が上限。それ以上は「影っぽさ」より「汚れ」に見える
  • 同じタイプのセクションを 2 回並べない。背の高いセクションの次は背の低いセクションを置く

「そういうものだ」と経験的に知っているデザイナーの判断を、Claude が参照できる形に変換しています。

6 カテゴリ 69 ルール

ルールは 6 つの領域に分かれています。

カテゴリ 内容
Color Discipline グレースケール階層、アクセント抑制、上品な黒の定義
Spatial Rhythm レイアウト比率、情報密度、セクション高さのバリエーション
Information Hierarchy KPI カードの差別化、数字 48px に対して単位 24px の比率
Shadow & Elevation 不透明度 4% 上限、ダークモードでのボーダー代替
Component Variance 同一 KPI カードを 4 枚並べない、コンテンツタイプの交互配置
Motion & Feedback 通常 200ms、入場はスプリング、退場はイーズアウト

ブランドスキンの仕組み

ルール(エンジン)と見た目(スキン)を分離しているのが設計上の工夫です。

styleseed/
├── engine/          # 69 のデザインルール(ブランド非依存)
│   └── DESIGN-LANGUAGE.md
└── skins/           # ブランドごとの色変数
    ├── toss/theme.css
    ├── stripe/theme.css
    ├── linear/theme.css
    ├── vercel/theme.css
    ├── notion/theme.css
    ├── raycast/theme.css
    └── arc/theme.css

スキンは CSS カスタムプロパティを定義した theme.css だけです。エンジンのルールはスキンを変えても変わりません。「Stripe 風の配色で、StyleSeed のルールに従ったレイアウト」を /ss-setup で選択するだけで実現します。

7 つのスキンが内蔵されています。Toss(韓国フィンテック風、パープル)、Stripe(インディゴ、多層シャドウ)、Linear(ダークファースト、デベロッパー向け)、Vercel(モノクローム)、Notion(ブルーアクセント)、Raycast(スナップ感)、Arc(浮遊感)です。

14 のスラッシュコマンド

スキルとして使う場合、Claude Code に 14 のコマンドが追加されます。

コマンド 役割
/ss-setup スキン・ブランドカラー・フォントの対話設定
/ss-page / /ss-component ページ・コンポーネントの雛形生成
/ss-review / /ss-lint デザインルール準拠チェック
/ss-audit Nielsen の 10 ユーザビリティ原則で評価
/ss-motion アニメーションの適用
/ss-a11y アクセシビリティ監査
/ss-copy マイクロコピー生成(ボタン・エラー文言など)
/ss-feedback ローディング・成功・エラー状態の追加

/ss-review でルール違反を洗い出し、/ss-lint で自動修正する、という使い方が基本です。

Named Motion System

アニメーションにも名前付きの「種」があります。5 つのシードが用意されており、プロジェクトのトーンに合うものを選びます。

  • Spring:バウンシーで遊び心がある
  • Silk:滑らかでエレガント
  • Snap:即時で正確
  • Float:軽く夢見心地
  • Pulse:リズミカルでパンチがある

/ss-motion toggle-flip のようにキーワードで動きを指定することもできます。magnetic(ホバーで引き寄せる)、glow-pulse(発光点滅)、confetti-pop など 20 以上のキーワードが定義されています。

使い始め

.claude/skills/ にディレクトリをコピーして /ss-setup を実行するだけです。Claude Code を再起動するとスキルが読み込まれ、以降は DESIGN-LANGUAGE.mdCLAUDE.md が自動参照されます。shadcn/ui + Tailwind CSS v4 + Radix UI の構成を前提としています。

まとめ

  • StyleSeed は「デザインデータ」ではなく「デザイン判断の根拠」を Claude に渡すスキル
  • 69 のルールを 6 カテゴリに整理。純黒を使わない・シャドウは 4% 上限・同じセクションを繰り返さないなど、経験則を言語化している
  • エンジン(ルール)とスキン(テーマ)を分離しており、7 つのブランドスキンを切り替えられる
  • 14 のスラッシュコマンドでレビュー・生成・アニメーション適用まで一気通貫

出典